通院は1匹につき1台を基本に。別々に運ぶ理由
International Cat Careの飼い主向け通院ガイドは、仲のよい猫でも1匹につき別のキャリーを使うよう勧めています。移動のストレスや狭い空間によって、猫同士の反応が変わることがあるからです。
避難の準備でも、まずは2匹を分けて運ぶ方法を考えておくと、片方が落ち着かないときや個別に診察を受けるときに対応しやすくなります。家族がいつも2人そろっているとは限らないので、一人でいる時間帯の運び方も決めておきたいですね。
- 2人で運べる家庭:1匹ずつ別のキャリーに入れ、各自が1台を担当する方法を検討します。
- 一人で運ぶ家庭:2台を同時に扱えるかを、猫を入れる前に実際の重さで試しましょう。難しい場合は手伝いを頼める人や、体格に合うリュック型との組み合わせも考えます。
- カートを使う家庭:玄関から目的地まで、階段・大きな段差・悪路を避けられる経路が必要です。停電でエレベーターが使えない場合などに備え、別々に運ぶ準備も残しておきます。
1匹ずつのキャリーの形を選ぶときは、猫用キャリーバッグの選び方で通院・避難・車移動ごとの違いを比べられます。
4kgの猫2匹なら、運ぶ重さはどれくらい?
猫だけでなく、本体と敷物・トイレシートなどを含めて計算しましょう。運ぶ重さ=猫の体重+キャリー本体+中に入れる物です。

体重4kgの猫が2匹いる家庭で、この記事の2商品を使う例です。以下は敷物などを加える前の重さになります。
- ハードキャリー2台(リッチェル M):合計13kg。猫4kg+本体2.5kgで、1台につき6.5kg。2台で13kgですが、2人なら一人6.5kgずつに分けられます。
- カートを押して歩く場合(ミリミリ):合計13.5kg。猫8kg+カート全体5.5kgで、合計13.5kgです。これは走行時の総重量で、猫を乗せたまま持ち上げてよいという意味ではありません。
- ミリミリのキャリー部分だけで運ぶ:合計10.4kg。猫8kg+キャリー2.4kgで10.4kg。運ぶ際は専用ベルト2本を両手で持ちます。
ミリミリは猫を乗せたままカートを持ち上げたり、キャリーを取り付け・取り外ししたりできません。階段の手前で猫を乗せたまま分離する方法は使えないため、経路を決める段階で考慮してください。
ハードキャリー2台と2匹対応カート、どちらが合う?
1匹ずつ分けるならハードキャリーを各1台、2匹対応カートは平坦な経路で使用条件を満たせる場合の候補です。購入前に「猫が収まるか」と「人が運べるか」の両方を確かめましょう。
| 比較する点 | リッチェル ダブルドア Mを2台 | コムペット ミリミリ キャリー(2025年版) |
|---|---|---|
| 猫の入れ方 | 本記事では1匹につき1台 | 合計2匹・15kgまで。1匹に専用リード1本を使用 |
| 内寸(幅×奥行×高さ) | 1台につき36×54×34cm | 27×50×25cm。高さは幌を除く |
| 本体重量 | 1台約2.5kg、2台で約5kg | 全体5.5kg、キャリー部分2.4kg |
| 向いている使い方 | 猫を分ける通院、2人で1台ずつ運ぶ移動 | 2匹が同じ空間で落ち着き、階段や大きな段差を避けられる経路 |
| 注意点 | 2台を一人で運ぶ場合の負担、各猫の体格との適合 | 猫を乗せたままの持ち上げ・着脱は不可。階段・大きな段差・悪路で使用しない |

1匹ずつ分けて運ぶ|リッチェル ダブルドア M
前と上から開けられるハードキャリーです。本記事では、各猫の体格に合うことを確かめたうえで、1匹につき1台ずつ使う方法を紹介しています。2人で1台ずつ持てる家庭や、通院先で猫を個別に出したい場合に向いています。
内寸は幅36×奥行54×高さ34cm、対象体重は1台につき12kg以下。本体だけで約2.5kgあるため、体重の上限に収まるだけで選ばず、猫が入った重さで運べるかも試しましょう。
手入れは、上半分と扉を薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、下半分とバックルは中性洗剤で洗って水気を取り、陰干しします。キャリー内でリードを付けたままにしないなど、使用方法は付属の取扱説明書に従ってください。
主な仕様
| 寸法 | 外寸40.5×55.5×37.5cm・内寸36×54×34cm |
|---|---|
| 重量 | 約2.5kg |
| 対応範囲 | 対象体重12kg以下 |

平坦な道で使う|コムペット ミリミリ キャリー
犬・猫を合計2匹、15kgまで乗せられる着脱式カートです。ここで紹介するのは2025年1月発売の119869ほかのモデル。全体5.5kg、キャリー部分は2.4kgで、専用リード2本とキャリーベルト2本が付属します。
内寸は幅27×奥行50×高さ25cmですが、高さ25cmは幌(屋根)を除く数値です。2匹の体格に対して、幌を閉じても無理な姿勢にならないか、互いに落ち着ける広さかを確かめてください。2匹対応の表示だけで、どの猫同士でも一緒に運べるとは判断できません。
使用中は1匹につき専用リード1本を装着し、上半身が外へ出ない長さに調整します。猫を乗せた状態でのカートの持ち上げやキャリーの着脱は禁止されています。階段・大きな段差を通らずに移動できるかが、購入前の大切な判断ポイントです。
インナーカバーやフラットカバーは手洗いできます。キャリー本体・幌・専用リードは浸け洗いをせず、拭いてから陰干しするお手入れです。
主な仕様
| 寸法 | 使用時 幅515×奥行750×高さ1005mm |
|---|---|
| 寸法 | キャリー内寸 幅270×奥行500×高さ250mm |
| 重量 | 全体5.5kg・キャリー2.4kg |
| 対応範囲 | 耐荷重15kg・2匹まで |
2匹のキャリー選びでよくある質問
合計体重が耐荷重以内なら、2匹を入れてもよいですか?
体重の上限だけでは判断できません。メーカーが複数頭での使用を認めていること、2匹に合う広さがあること、同じ空間で落ち着けることが必要です。たとえば合計10kgならミリミリの15kg以内ですが、それだけで2匹の体格や相性まで条件を満たすわけではありません。
電車に乗る場合は、重量だけ確認すればよいですか?
大きさと容器の形にも条件があります。たとえばJR東海は、専用ケースの縦・横・高さの合計が120cm以内、動物とケースの合計重量が10kg以内などと定めています。
リッチェル Mは外寸の合計が133.5cmで、JR東海の寸法条件を超えます。ミリミリのキャリー部分も、4kgの猫2匹を入れる例では10.4kgとなり、重量条件を超えます。電車を使う予定があるなら、購入前に利用する鉄道会社の条件に合う製品を選んでください。
カートのキャリーを避難先の居場所にできますか?
長時間の生活場所として兼用できるとは限りません。ミリミリの取扱説明書では、望ましい連続使用時間を1時間以内としています。避難先で休ませる場所やケージなどは、施設の受け入れ条件も確認したうえで別に考えておきましょう。
購入後は、猫を入れる前に運ぶ練習を
まずは、実際に運ぶ人が空のキャリーと経路を確認するところから始めてみてください。
- 部品の動作を確かめる:扉・ロック・持ち手、カートの場合は車輪とストッパーを確認します。
- 実際の重さで試す:猫を入れず、使用上限を守って同程度の重りで負担を試します。扉を通れるか、両手がふさがっても移動できるかも見ておきましょう。
- 経路と着脱方法を確認する:カートは階段や大きな段差を通らない経路を確認します。キャリーの着脱は猫を入れる前に、ストッパーをかけて練習します。
- 室内で慣れてもらう:猫には1匹ずつ、室内で無理なくキャリーに慣れてもらいます。外へ出る練習は、猫が落ち着ける短時間から始めましょう。
一人で2匹を運ぶことが難しいと分かったら、手伝いを頼める人や別の移動方法を早めに決めておくと、通院や避難の準備を進めやすくなります。
参考資料
- Taking your cat to the veterinary clinic(International Cat Care)
- 人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉(環境省)
- キャンピングキャリーファインR 取扱説明書(リッチェル)
- ミリミリ キャリー 取扱説明書(コンビ)
- 手回り品(JR東海)
