主食用の総合栄養食と、一般食・おやつの違い
総合栄養食は、毎日の食事に必要な栄養をバランスよく取れるように設計されたフードです。ただし、子猫用・成猫用など、対象となる成長段階は商品ごとに異なります。新鮮な水と一緒に、対象年齢に合うフードを用意しましょう。
一方、一般食や副食は、それだけで一日に必要な栄養を満たすことを前提に作られていません。一般食だけを与え続けると、必要な栄養が不足するおそれがあります。主食として単独で使わず、パッケージにある「総合栄養食と一緒に」などの案内に従って取り入れてください。
| パッケージで探す表示 | 食事での役割 | 与えるときのポイント |
|---|---|---|
| 総合栄養食 | 毎日の主食 | 猫の年齢・成長段階に合うものを選び、給与量を目安に与える |
| 一般食・副食 | 主食を補うトッピングなど | 単独の主食にはせず、指定された食事と組み合わせる |
| 間食・おやつ・スナック | ごほうびやコミュニケーション | 給与限度量を守り、一日の食事全体に含めて調整する |
| 療法食 | 病気の治療を栄養面から補助 | 獣医師の指導に従って選び、与える |
食事での役割を身近に例えるなら、総合栄養食は「栄養バランスを整えた定食」、一般食は「おかず」、おやつは「ごほうび」のようなものです。役割に合う使い方を選びましょう。
表示の制度では、目的は「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」の4区分。「一般食」「副食」は、このうち「その他の目的食」の使い道を示す表示例です。
猫に合う主食は、年齢と給与量から選ぶ

総合栄養食と書かれていても、どの年齢の猫にも合うとは限りません。「子猫用」「成猫用」「全成長段階」などの表示を、愛猫の今の成長段階と照らし合わせてください。
パッケージの給与量表は、次の3ステップで読むと、一日に用意する量を決めやすくなります。
- 給与量表が指定する体重の欄を探す。「現在の体重」「標準体重」など、商品に書かれた基準に従いましょう。子猫用などは月齢も合わせて確認してください。
- 一日分か一回分か、単位を確かめる。記載された数値が一日の合計量なら、食事の回数に分けて用意します。1袋を1回で与える商品ばかりではありません。
- 併用するフードの量も含める。ドライとウェットを使う場合、それぞれの一日量を丸ごと足さずに調整してください。
給与量は目安です。体格や活動量、避妊・去勢の有無などでも必要量が変わるため、体重や体型の変化も見ながら調整しましょう。持病や体調の心配がある場合、療法食を使っている場合は、かかりつけの獣医師へ相談してください。
年齢に合う候補を探すときは、子猫用ドライフードの選び方、成猫用ドライフードの比較、シニア向けドライフードの比較も参考になります。
パウチ2品で、総合栄養食と一般食の表示を見比べる
ここで紹介する2品は、どちらもパウチ入りのウェットフードですが、食事での役割が違います。
- ピュリナ ワン 室内飼い猫用:毎日の主食にできる「総合栄養食」。
- CIAO ツナブレンド まぐろ白身入り:主食と組み合わせる「一般食」。
味の名前や写真に加え、「目的表示」に注目すると、使い分けが分かります。

ピュリナ ワン キャット パウチ 室内飼い猫用 1歳以上 チキン グレービー仕立て
室内で暮らす成猫の主食に、ウェットフードを取り入れたいときの候補です。パッケージの「総合栄養食」と対象年齢を確認すると、毎日の食事としての役割が分かります。
1袋50gあたり約40kcalで、このパウチだけを与える場合、体重4kgの目安は1日約6袋です。1袋が1食分とは限らず、ドライフードも使う場合は両方の量を調整してください。
主な仕様
| 内容量 | 50g |
|---|---|
| 対応範囲 | 1〜7歳の室内飼い猫用 |
| 栄養・給与目安 | 総合栄養食 |
| 栄養・給与目安 | パウチのみの場合、体重4kgで約6袋/日 |

CIAO まぐろ・かつおのツナブレンド パウチ まぐろ白身入り(IC-591)
いつもの総合栄養食に、トッピングとして加えたいときの一般食です。内容量は40g、エネルギーは1袋あたり約21kcal。パッケージの与え方に従い、主食と合わせた一日の量を調整しましょう。
このパウチだけで毎日の食事をまかなう使い方には向きません。「まぐろ白身入り」という味の名前と、食事の役割を示す「一般食」の表示を、分けて確かめてください。
主食用のウェットを選びたい方は、ウェット総合栄養食2品の比較で、容量や一日に必要な袋数まで比べられます。購入先によって単品・まとめ売りが異なるため、注文する袋数も確認してください。
おやつやトッピングを足す日のカロリー調整

総合栄養食に一般食やおやつを足すときは、追加した分のカロリーを含めて、主食の量も調整しましょう。一日分の主食に別のフードをそのまま足すと、カロリーの取り過ぎにつながります。反対に、一般食やおやつで主食の多くを置き換えると、栄養のバランスが崩れやすくなります。
おやつは、一日に必要なカロリーの10%を超えない範囲を目安にしてください。これは重さの10%ではなく、主食とは別に追加できる枠でもありません。商品の給与限度量も守り、一般食を混ぜる量は各商品の与え方に従いましょう。
例えば、一日に必要な量が200kcalと分かっている猫に、おやつを10kcal与えるなら、主食は190kcal分に調整します。この10kcalは一日分の5%です。200kcalは計算例で、すべての猫に当てはまる量ではありません。併用量がメーカーの給与表に載っていれば、その案内を参考にしてください。
朝は家族の一人が主食を量り、夜は別の人がおやつを渡す家庭なら、フードのそばに「何を何g・何袋与えたか」を残しておくと共有しやすくなります。グラム数と袋数をそのまま足すのではなく、各商品のカロリー表示と与え方を使って一日の食事を調整してください。
食べない、吐く、下痢が続くなど体調に変化があるときは、量や組み合わせだけで解決しようとせず、動物病院へ相談しましょう。
フードの表示でよくある疑問
一般食だけを毎日の主食にできますか?
一般食だけで毎日の食事をまかなうことは避けてください。一日に必要な栄養を満たすには、ほかの栄養を補うことが前提になっています。商品にある「総合栄養食と一緒に与える」などの案内に従い、量に迷ったらメーカーへ確認しましょう。
ウェットも主食にできますか?
総合栄養食で、猫の成長段階に合っていれば主食にできます。ドライ・ウェットは水分量や形状の違いで、総合栄養食・一般食は食事の目的の違いです。パウチや缶にも主食用があるため、包装の形より目的表示を確かめてください。
水分量や保存方法の違いは、キャットフードのドライとウェットの違いで詳しく紹介しています。
「総合栄養食」と「おやつ」の両方が書かれている場合は?
総合栄養食の栄養基準を満たす間食には、両方の表示が認められています。「おやつ」という呼び名だけで決めず、対象年齢と用途、給与限度量・与え方まで確認してください。
目的表示が見つからないときは?
袋の裏面や側面、給与方法の近くも探し、それでも分からなければメーカーへ確認してください。毎日の主食を選ぶときは、総合栄養食であることと対象年齢が分かる商品を選びましょう。
なお、ペットフード安全法で義務付けられている「名称・賞味期限・原材料名・原産国名・事業者名と住所」の5項目は、食事の目的表示とは別のものです。これらが書かれていることだけで、主食にできるとは判断できません。
まずは家にあるフードを一つ手に取り、次の3点を確かめてみましょう。
- 主食には「総合栄養食」を選んでいるか。
- 今の年齢・成長段階に合っているか。
- 一日量を家族で把握し、おやつの量も共有できているか。
役割と量が分かれば、朝夕のごはんやごほうびを、家族で迷わず用意しやすくなります。
参考資料
- ペットフードの目的について(ペットフード公正取引協議会)
- ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則(ペットフード公正取引協議会)
- ペットフード安全法のリーフレット(農林水産省)
- ピュリナ ワン キャット パウチ 室内飼い猫用(ネスレ日本)
- CIAO まぐろ・かつおのツナブレンド パウチ まぐろ白身入り(いなばペットフード)
- Feeding treats to your cat(世界小動物獣医師会・WSAVA)
